#26 「心が伸びる声かけ」～バレエと子育ての共通点～

🩰 心が伸びる声かけ ― バレエと子育ての共通点

レッスンの中で、子どもがふっと表情を変える瞬間があります。
それは、注意されたときではなく、努力を認められたとき。
「今のきれいだったね」という一言が、自信を育て、また次の挑戦につながります。
バレエの指導と子育てには、共通する“声のかけ方”があります。心が伸びる声を届けるヒントを、今回は紹介します。

ポイント

・声のトーンが安心をつくる

「できた瞬間」を見逃さない
・比べずに、過去の自分を見つめる声かけ
・落ち込んだときの励まし方
・家庭でできる“前向きな言葉習慣”

言葉は、子どもの心を包む空気のようなものです。優しい声かけは、体の姿勢だけでなく、心の姿勢もまっすぐにしてくれます。

声のトーンが安心をつくる

子どもが何かをできたとき、すぐに言葉で伝えると、体験が記憶に残りやすくなります。
たとえば、難しい動きを練習していた子に「さっきの姿勢、とてもきれいだったね」と伝えると、自分の努力を認識できます。

家庭でも、「早く宿題をしなさい」より、「始めたね、えらいね」と声をかけるほうが、行動が続きやすくなります。

できた瞬間を逃さず伝えることが、次への意欲を育てます。

比べずに、過去の自分を見つめる声かけ

バレエの上達には個人差があります。
周りと比べるより、昨日の自分と比べて成長を感じることが大切です。
以下のような声かけが、自信を積み重ねる助けになります。

前向きな声かけの例

「前より長く立てたね」
「昨日より背が伸びたみたい」
「少しずつ形がきれいになってきたね」

過去の自分との比較を通して進歩を伝えると、子どもは安心して挑戦を続けられます。

落ち込んだときの励まし方

失敗や注意のあとにかける言葉は、心の立て直しに大きく影響します。
「次はできるよ」と励ますより、「がんばってたね」「よく見てたよ」と気持ちを受けとめる言葉が響きます。
バレエの現場でも、失敗の直後に“気づいた努力”を伝えると、子どもは安心して再挑戦できます。
言葉は“評価”ではなく、“支え”として使うと、心が自然に前を向きます。